う蝕(齲蝕、虫歯)
虫歯 → むし歯、ムシ歯 と散見されますが、漢字が使われる割合が多くなっています(Google 検索結果にて)
口腔内にある細菌の影響を受けて、歯の組織的構成要素(エナメル質、象牙質、セメント質)からなる、 歯質の無期塩の脱灰と有機質の溶解によって生じる軟化牙質(エナメル質は有機質に乏しく、大部分は軟化象牙質から形成)を伴う、急性や慢性の疾患です。 進行過程は歯の歯質(質的な差)をはじめ、組織構造の、局所解剖的な条件と関連しているため十人十色です。 歯は解剖学的にいえば、歯冠部、歯根部、歯頸部に分類でき、そこに発生する“むし歯”は更に細分化されます。 歯冠部:咬合面~小窩裂溝齲蝕[ショウカレッコウウッショク](簡単に言えば裂け目のこと。臼歯部咬合面や頬側面などに生じるくぼみのことで、いくつものタイプがあります(例えば、V型、U型、I型、IU型、IK型))を含む咬合面齲蝕、唇側面、隣接面相当の平滑面(平滑面齲蝕) 歯根部:唇側、舌側(口蓋側)と隣接面相当の根面(根面齲蝕)に発現します 歯頸部[シケイブ](歯冠と歯根の結合部):エナメルセメント境からなる歯頸線に沿って環状齲蝕します(乳歯はその傾向が多くみられます)。そして、歯根部の根面齲蝕に移行進展します。 ※齲蝕の進行は、歯質、自浄性、局所的清掃状態によって形成された歯垢、歯苔(したい:dental plaque)や歯石の程度、歯列不正の有無などによって変わってきます